2016年12月21日水曜日

ルスカス・ヒポフィラム

Thick-leaved butcher's broom

学名 Ruscus hypophyllum L.
キジカクシ(アスパラガス)科 Asparagaceae
スズラン亜科 Nolinoideae
(旧分類 ナギイカダ科 Ruscaceae)
ナギイカダ属 Ruscus
花束の花材を挿し木中。

葉のように見えるのは枝が平らに変化し光合成をする葉状枝(cladodes, a leaflike cladode) で、花が付いているところが枝の節。

薄緑色の花被は6片、外花被内花被各3片。
雌雄異株らしい。蕊や内花被の先端に花粉らしきものが見えるのでこれは雄株か。

花序は葉状枝の両面(表・裏・両面と様々)に付く。左の写真の上の花序は裏面、下は表面についている。(ナギイカダ属の他の品種は表面のみ) 。

始めに細く尖った葉のようなものが伸び一見トゲのよう、やがて蕾が膨らんでくるが、この葉は花芽を保護する托葉(stipule leaf)なのだろうか?
蕾は薄い皮膜のようなものに包まれているが苞葉なのか皮膜状の鱗片なのか。


葉状枝の付け根にやはり細く尖った葉のようなものがあり、海外のサイトでは scale leaf (日本語では鱗片葉) の葉腋に cladodes (leaf like cladode) が形成されるとある。

現在は枯れているが、まだ気温の高い秋には成長していた。


蕾が伸び始めた頃 (葉状枝の裏面)




taken on 2016-12-02, 12-19, 12-21 #buds #flowers #cladodes #leaves #December


"phylloclade" and "cladode"
 https://en.wikipedia.org/wiki/Phylloclade

2016年12月9日金曜日

ゴシキヒイラギ (五色柊)

Holly olive 'Goshiki'

学名:Osmanthus heterophyllus 'Goshiki'
モクセイ科 Oleaceae
モクセイ属 Osmanthus
周年屋外半日陰、プラ鉢、7年目。
雌雄異株だが、この木の雌雄は不明。

2016-12-08
初めて花が咲いた。芳香あり。
白い花冠は4裂、筒の部分はわずか。雌蕊と2本の雄蕊の葯はクリーム色。モクセイ属は雌雄異株で、雌蕊・雄蕊のどちらが発達するかに違いがあるらしい。もちろん実が成れば雌株なわけで経過が楽しみ。

2015-01-30 雪
黄色の斑入り葉。日当たりが良ければ、春と秋の新芽は薄いピンク色で、やがてだんだんと白から明るい緑へと変化するのだけど、ウチではなかなか綺麗なピンク色にはならない (#1)。
また、キンモクセイに似た良い香りのする白い花が咲くらしい (ゴシキヒイラギはキンモクセイと同属) が、
一度も咲いたことが無い。やはり、植え替えて、置き場所を変えなければ。

taken on 2016-12-08, 2015-01-30 #flowers #foliage #January #December

以下余談。
ウチには、和名に「柊」が付く木はこれ以外に2品種 (#2) あるが、それらは、植物分類上は「ヒイラギ」とは別種。
だが、その和名が、葉がトゲトゲで触ると痛いことに由来するならば決して間違いではない。

「ヒイラギ」の語源は「ひいらぐ木」で (すべての言語は文字より音が先)、
その疼く(ひいら・ぐ、うず・く) の意味と、一年の終わりである冬を飾る木と言う意味との両方の意味を込めて、後に、「柊」と言う漢字を当てはめたのじゃないかと言うのだ。
「疼く」に冬の字が入っているのは、「寒さが突き刺すように痛い」ということかららしい。

また、英語名 Holly は一般にはセイヨウヒイラギ (lex aquifolium、モチノキ科 Aquifoliaceae モチノキ属 Ilex) のことで、ラテン語では、セイヨウヒイラギガシ (Holm oak, Quercus ilex, ブナ科 Fagaceae コナラ属 Quercus) を差す言葉だったのが、後に、葉の外観からセイヨウヒイラギを始めモチノキ属の木全般のことをも言うようになったらしい (←私的解釈に付き正確ではないかも)。
コナラ属のトキワガシ (Quercus rotundifolia) のことを Halm oak, Holly oak と言う場合もあり、日本で言うモクセイ科のヒイラギのことは Holly olive などと呼ぶからややこしく思えるが、オリーブはヒイラギと同じモクセイ科なのだ。
いずれにしても、holly や holm の印欧語根(Indo-European Roots) では、刺す・痛い・疼く (うず・く) と言った意味で、その点では和名の命名法と変わりは無いようだ。そのエリアでネイティブまたは多く見られる木が基準となるだけ。

#1:
新芽があまりピンクにならない品種には、斑入りヒイラギがある。
Osmanthus heterophyllus 'Variegatus' (Variegated holly olive)

#2:
・ヒメヒイラギ (姫柊、Ilex dimorphophylla)
チャイニーズホーリー (ヒイラギモチ(柊黐)、ヤバネヒイラギモチ(矢羽柊黐)、Ilex cornuta)
いずれも、
モチノキ科 Aquifoliaceae モチノキ属 Ilex

ちなみに、Chinese holly はヒイラギモチ (#2) だが、Jmapanese holly はイヌツゲ(lex crenata) で
どちらもモチノキ属、
ところがツゲ (Buxus microphylla var. japonica) は、ツゲ科 Buxaceae ツゲ属Buxus で。。。
と、ややこしい話に終わりは無いのよね。

2016年12月8日木曜日

ヤマボウシ (山法師) 実生

Kousa dogwood

学名:Cornus kousa / Benthamidia japonica
ミズキ科 Cornaceae
ミズキ属 Cornus
ヤマボウシ亜属  Benthamidia
ハナミズキ (Cornus florida, アメリカヤマボウシ) とは近縁。

2016-12-08
出芽に気が付いたのは夏、春には気配すらなかった。
明るい緑の葉、幹の下の方は既に明るい茶色になり木質化の始まりか。
葉・葉柄・幹など全体に細毛が生えている。

2015-10-15
この木(#1)の実をいただいて果肉を試食した後、種子の周りに果肉が残らぬようよく洗ってから蒔いた。

2015-10-11 種蒔き1回目 1個
2015-10-15 種蒔き2回目 3個

出芽したのは一つだけ。たぶん、2回目に蒔いたもの。

taken on 2016-12-08, 2015-10-15, 10-05 #fruits #seeds #tree #young_sprouts #foliage #October #December

#1:
20150613, 0615
ヤマボウシ (山法師)
http://fieldfesta.blogspot.jp/2015/06/20150613.html

2016年12月5日月曜日

スズメバチの巣

Vespa analis Nest

コガタスズメバチ(小形雀蜂)
学名:Vespa analis
スズメバチ科 Vespidae
スズメバチ亜科 Vespinae

夏ツタの葉が落ちて初めて気が付いた。
コガタスズメバチは雨風が避けられる解放空間に巣を作る。おあつらえ向きだな、ここ。
スズメバチ属のなかでは中型で攻撃性も中くらいだそうだがスズメバチはスズメバチ。

この下に花壇や鉢がある。
草木の手入れをし、雑草を抜いて落ち葉を掃き、
写真を撮る。


よく無事でいたもんだ、私。

taken on 2016-12-05 #December #insect

2016年12月3日土曜日

ニラ(韮)

Chinese chives

学名:Allium tuberosum
ヒガンバナ科 Amaryllidaceae
ネギ属 Allium
東向き、プランター、実生2年目。
一昨年秋、近所の路肩で見つけたこの種子(#1) を採取して蒔いたもの。

2016-12-03
秋に熟した種子、冬になっても結構残ってる。


2016-08-24
花!
昨年は葉っぱだけ伸びて花は咲かず。
葉はもちろんいわゆるニラの匂いだが、花には特に匂いは無い。

taken on 2016-07-29, 08-24 #buds #flowers #July #August

下に見えている葉はカニクサ(Japanese climbing fern)のもの。






#1:
路夢 - Street Nature -: 20140911, 1013 ニラ 花と種子
 http://fieldfesta.blogspot.jp/2014/09/20140911.html





2016年10月30日日曜日

フィロデンドロン・クッカバラ

Philodendron cv. 'Kookaburra Aussie'

流通名:クッカバラ、オージー
学名:Philodendron cv. 'Kookaburra Aussie'
サトイモ科 Araceae
フィロデンドロン属 Philodendron
春~秋屋外半日蔭、冬は室内、陶器鉢(植え替え後プラ鉢)、2年目。

2016-10-23
昨年春に水耕から土に植え付け。
本来、伸びた気根はやがて土中に入るが、鉢が手狭になって鉢の外に垂れたまま舗装された地面を這うようになってしまったため、大きな鉢に植え替え。
根の廻りはけっこう早いようで、もっと早く植え替えるべきであった。

生育は順調と思っていたのだが、今月再訪した八丈島の知人宅の鉢植えと比べて愕然、葉はもっと密について柔らかく葉面も不必要に大きくない。

つまりウチのは日照不足で徒長してしまったのだが、葉面の柔らかさは、温暖で年間140日雨が降る八丈島の多湿な環境との違いだろうか。

2016-10-21
八丈島にて
路地植えでは株はさらに大きくなるが、地面にもぐった気根がしっかり株を支えているのが分かる。

taken on 2016-10-21, 10-23 #foliage #roots


2014-11-23
八丈島からお持ち帰り。
知人が枝を水挿しにして増やされたものを頂いた。(撮影用にガラス鉢に入れていますが、普段は根の部分が暗くなるように陶器鉢にて栽培)

一番下の写真の葉柄の間から下に向かって伸びているのは気根。
原産地では、熱帯雨林の木々の木洩れ日で育つもののようで、直射日光は苦手ですが、窓から差し込む光程度で十分育つらしい。


八丈島は冬でも夜間の気温があまり下がらないので、周年屋外の半日蔭でOKだが、いきなり東京の冬は越せないだろうから室内で (室温は 10℃ 以上、5℃ぐらいなら越冬可能らしいけど、念のため)。
枝が伸びたら挿し木で増やそうと思う。

八丈島では、その気候や地熱を利用して多くの観葉植物が栽培されている。

taken on 2014-11-23 #foliage #roots #November

カランコエ 錦蝶(キンチョウ) / カランコエ デラゴエンシス

Chandelier plant / Mother Of Thousands, Mother Of Millions.

カランコエ 錦蝶(キンチョウ) / カランコエ デラゴエンシス
学名:Kalanchoe delagoensis / Kalanchoe tubiflora / Bryophyllum tubiflorum
ベンケイソウ科 Crassulaceae
カランコエ属(リュウキュウベンケイ属) Kalanchoe / セイロンベンケイ属 Bryophyllum

2016-10-16
いつのまにか近隣の鉢に飛び火、エリカ用に鹿沼土を多くした用土だが、2つ下のサボテン・多肉植物用の土より育ちが良く本葉がそれらしくなってきた。不定芽の丸葉が変化するのではなかったのだね。

2016-08-28
不定芽が落ちると、芽が付いていた突起の部分に接合の痕が確認できる。


落ちた不定芽、無事に活着したようだ。夏の強い日差しと高温で発根前に干からびでしまうものもあったので、他の植物などの陰に落ちるのが良いみたい。

2016-06-23
株が大きくなるにしたがって不定芽も増える。
不定芽は、葉の先端だけではなく縁取るように周囲に付く。WEB上の情報では「気根を垂らして」分離するかのように書いてあったが、ウチのは不定芽から気根を出すことは無かった。充分な大きさになると、軽く触れただけ、強い風で揺れただけで芽が落ちる。

多肉植物の場合、土中にたくさんの水分を必要としないとは言え、乾燥が続くと気根を出して空気中から水分を補給すると思われるものが多い。

2016-05-26
落下した不定芽。
未熟なわけではなく、新苗として充分な大きさに達すると分離しやすくなるようだ。
2016-05-01
葉の先端に不定芽がついた。まるで花弁のように見えるが花ではない。この不定芽 (Adventitious buds) から気根を垂らし、成長すると苗 (plantlets) として分離して増殖するのだそう。

沖縄では半ば雑草化しているのを良く見かけたが、いずれも人家の近くなので、大きくなり過ぎたり増えすぎたものは手入れされているのだろう。
園芸用に販売もされているが、原産地マダカスカルから沖縄への搬入経路は不明。

taken on 2016-05-01, 05-26, 06-23, 08-28 #Succulent #foliage #adventitious_buds #plantlets #May #June #August

2015-11-18 沖縄にて
album "Okinawa Living things"